【高校卒業後の就職ビザ】「家族滞在」から就職する場合のルート徹底解説!特定活動と定住者の要件・メリットとは?

コラム

親の就労ビザなどに伴って日本に滞在している「家族滞在」の外国人の子どもたちが、日本の高校を卒業してそのまま日本で就職(フルタイム勤務)するケースが増えています。

しかし、高校を卒業して就職する場合、大学や専門学校を卒業した留学生が取得する通常の就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」など)の学歴要件を満たせないことが一般的です。

そこで、入国管理局では独自の救済措置として、一定の要件を満たす高校卒業生に対して「定住者」または「特定活動」という在留資格への変更を認めています。今回は、それぞれの変更要件や、圧倒的に有利な「定住者」のメリットについて解説します。

2つの選択肢とそれぞれの変更要件

家族滞在から高校卒業後に就職する場合、「日本に入国した年齢」などによって、直接「定住者」に変更できる場合と、まずは「特定活動」に変更する場合に分かれます。

① 直接「定住者」へ変更できるケース

幼少期に日本へ来て、日本の小学校・中学校・高校をそれぞれ卒業している人が対象です。

  • 学歴要件:
    • 日本の小学校および中学校(義務教育)を修了(卒業)し、かつ日本の高等学校を卒業していること
  • その他の要件:
    • 申請時に「家族滞在」の在留資格で適法に在留していること。
    • 高校卒業後、日本の会社などに常勤の職員(フルタイム)として雇用されることが決まっていること。

②まずは「特定活動」へ変更するケース

中学や高校のタイミングで日本に入国したため、日本の小学校を卒業しておらず、上記の義務教育要件を満たさない人が対象です。

  • 学歴要件:
    • 日本の高等学校を卒業していること(小学校・中学校は海外で卒業)
  • その他の要件:
    • 入国時に18歳未満であること。
    • 扶養者(親など)が身元保証人として日本に在留していること。
    • 日本の会社などに常勤の職員(フルタイム)として雇用されることが決まっていること。
      ※高校の中途編入などの場合は、日本語能力試験「N2相当以上」が求められることがあります。

このルートの場合、まずは就労目的の「特定活動」を取得して働き、通算して5年以上日本に在留(就労)した段階で、改めて「定住者」への変更申請が可能になります。
※5年には大学等への在学期間も含めます。

気になる「最初の在留期間」は?通常5年はもらえる?

定住者」も「特定活動」も、法律上の最長在留期間は「5年」と定められています。しかし、高校を卒業して初めて就職する段階で、いきなり5年の期間がもらえることは通常ありません。

実務上、初回の変更許可で付与される在留期間は「1年」となるのが一般的です。 まだ社会人としての実績や安定収入がないため、まずは1年間しっかりと働き、納税などの公的義務を果たしているかを確認した上で、次回の更新時に「3年」や「5年」へと段階的に期間が延びていく運用になっています。

なぜ「定住者」のほうが良い?圧倒的な4つのメリット

もし小・中・高を日本で出ていて直接「定住者」を選べる状態にある場合、あるいは「特定活動」から5年経って変更できるタイミングが来た場合、「定住者」にするメリットは非常に強力です。

メリット①:就労制限が一切なくなる(どんな仕事でも自由)

  • 特定活動: 「指定書」に書かれた範囲の仕事(内定をもらった特定の会社での就労など)しかできません。転職や副業をする際に入管の手続きが必要になるなど、強い制限がかかります。
  • 定住者: 日本人と同じように働く制限が完全に撤廃されます。事務職、製造業、サービス業など職種は完全に自由で、将来自分で起業して会社経営をすることも可能です。

メリット②:永住権(永住許可)の申請要件が大幅に緩和される

将来、日本にずっと住むための「永住権」を取りたいと思ったとき、定住者は圧倒的に有利なショートカットルートになります。

  • 特定活動など(通常の就労ビザ): 原則として引き続き10年以上日本に住んでいる必要があります。
  • 定住者: 「定住者」の資格に変わってから、引き続き5年以上日本に住んでいれば永住申請が可能になります。

※すでに日本に10年以上住んでいる方でも、「家族滞在」のビザのままでは単独で永住申請はできません。また、「親の税金未納や書類の不備などで、親を頼った永住申請ができない…」と悩んでいる方にとっても、就職して「定住者」になることで親から独立し、自分の力だけで5年後に永住権を狙えるようになるという大きなチャンスになります。

メリット③:失業時のリスクが低く、生活が安定する

  • 特定活動: 会社での就労という「特定の活動」を前提にしたビザのため、万が一会社が倒産したり失業したりした場合、次の就職先がすぐに見つからなければビザの維持が難しくなります。
  • 定住者: 日本に滞在する「身分・地位」そのものが認められているため、万が一仕事を探している期間であってもすぐにビザが取り消されるリスクが極めて低く、精神的にも安定します。

メリット④:社会的信用(ローンや各種契約)が高くなる

銀行での住宅ローンの審査や、クレジットカードの作成、賃貸物件の契約時において、「特定活動」よりも身分系の資格である「定住者」のほうが、「日本に長く根を下ろして暮らす人」として評価されやすく、社会的信用度が高くなります。

まとめ

家族滞在から高校を卒業して就職する場合、自分の学歴(小学校・中学校を日本で出ているか)によって、「直接定住者ルート」か「特定活動からステップアップするルート」かに分かれます。

どちらのルートであっても、最初は通常「1年」からのスタートになりますが、最終的に「定住者」を勝ち取ることができれば、その後の日本での生活や将来の肢は一気に広がります。

内定をもらった後は、会社側にもたくさんの書類を用意してもらう必要があります。自分がどちらの条件に当てはまるのか、卒業証明書を手元に用意した上で、早めに専門家や入管の窓口、内定先の担当者に相談して準備を進めましょう!